これはもはや事故です!
 面談室へ向かうと、すでに中には二人が並んで座っていた。

 白石綾奈。
 ブラウス姿できちんとした服装で、いつもの高飛車な雰囲気は影をひそめている。
 だが視線の奥に、まだどこか“誤解された被害者”のような色が見えた。

 藤咲美里。
 元バイトの彼女は、泣き腫らした目で手を震わせていた。
 白石と違い、恐怖と後悔が滲んでいる。

「……誠さん、その……昨日は……」

「挨拶は結構。早速、要件に入ります」

 その言葉に二人は落ち着かない様子で、顔を見合わせた。
 磯崎は構わずに話しを続ける。

「まず、内容を整理します。……あなた方は長期にわたり、私に対し、仕事上の親切を 個人的好意 だと誤解し続けてきた」

 白石の肩がビクッと震えた。

「私は一度たりとも、交際を示唆した事実はない。それでも連絡を執拗に続け、待ち伏せし、個人的な付き合いを迫った」

「……っ」
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