夫のいない間に
 答えは、夫の出方次第だと思った。

 二週間以上、家族や仕事からも離れた独り旅に出て、何か人間的に変化があることを祈った。

 「ッン! ッウォン!」

 自宅に戻ると、マキロンが私を出迎えた。

 「マキロン、あんたどこに隠れてたの?」

 丸1日、旅に出ていた犬。
  彼からすると一週間位の旅行と同じだったのか、とても嬉しそうに私にまとわりつき、私の膝を舐め出した。

 犬は本能のままだから、分かりやすい。
 問題は、人間だ。
 自尊心が強い、あの夫。

 脱ぎ散らかした貴士のウォーキングシューズに視線を落とし、軽く深呼吸をした。
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