半年間、一生分の愛をくれたキミに ー余命半年の私の最後の恋ー
私はこんな夢を見た。


これは…10年後の私?


そして、私の隣にいるのは誰?


彼の顔を見ようとしても、光で見えない。


どうやらここは式場みたいだ。


私は真っ白で綺麗なドレスを着ている。


私の結婚式かな。


そして大きなドアが開かれて…。


「はっ…!」


一番続きが気になるところで目が覚めてしまった。


私は一体何時間寝たのか。


今の時間すらわからない。


彼はまだ寝てるかな?


ゆっくり起き上がって、彼が寝ているであろうベンチに向かった。


が、そこに彼の姿はなかった。


だとしたらどこに行ったのだろう。


教室に戻って普通に授業を受けてるとか?


まあ何でもいいや。


また南ベンチに戻ろうと後ろを振り向くと、彼がいた。


「わっ、びっくりした…いるならいるって言ってよね!」


「お前の驚く顔、面白れぇ」


そう言って彼はケラケラと笑っている。


…なんか悔しい。


絶対にいつか仕返ししてやる!


「それよりお前、大丈夫なのか?」


「大丈夫って?」


「今日の休み時間、集まりあるんだろ?もう二限終わったけど」


二限が終わったどころか、三限始まりのチャイムが鳴った。


「ちょっと、早く言ってよ…」


寝てた私も悪いけどさ。


「わりぃわりぃ。けど…」


彼は何かを言いかけて、やめた。


「けど?」


沈黙が続いたため私から問いかけると、彼は目を泳がせて「何でもない」と言って屋上を出て行った。


「なんなのよ」


屋上にひとり残された私は、再び南ベンチに横になって眠りについた。
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