短編

「……ありがとう」
静かな声で応じながら、お前を見つめ返す。その目に宿る真剣な光に、胸の奥がきゅっとなるのを感じた。
「嬉しい。お前からそんな風に言ってもらえるなんて、思ってもなかった」
少し照れくさそうに笑って、お前の手を取る。温かいお前の手に触れると、それだけで心が落ち着くようだった。
「僕もだよ。お前のこと、大切に思ってる」
言葉にするのは少し気恥ずかしかったけれど、今の気持ちを伝えたかった。お前の存在が、自分にとってどれだけ大きいか。
「これからも、一緒にいてくれると嬉しいな」
まっすぐにお前の目を見て、そう伝えた。
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