ここで私は、明日の私を待つ
いくら私が叫んでも、みんなやめてくれなかった。


「みんな協力してくれてありがとう!もっと泥塗っていいよ」


私の言うことは聞かないくせに、川崎の言うことは聞く。


「なんで…」


川崎は、いつからこんなに偉そうな立場になったのだろう。


これじゃあ、昨日までの私の立場を取られたみたいじゃない!


今までは私の言うことばかり聞いていたくせに、今度は川崎かよ。


川崎が私を見下している目、本当に腹立たしい。


「まあこんなもんでいっか。ね、凛」


「そうだね。遅刻しちゃうし、早く行こ」


川崎がやめると、みんなやめる。


さっきまでの人だかりが、嘘のようになくなった。


咲希と川崎が二人で、校舎に向かって小走りしている。


「咲希!助けて!」


さっきまであんなことをしていたのだから、助けてくれるわけがない。


私が一番わかっていたのに。


なぜか私は、咲希に助けを求めた。


いや、助けてくれるなら誰だっていい。


でもやっぱり、咲希は助けるどころか振り向いてくれなかった。


まるで、昨日まで私たちが川崎にやっていたことが全て自分に降りかかっているみたいだ。


その場にひとり残された私は、泥がついた教科書を拾い上げて泥をハンカチや手で払い、カバンにしまうことしかできなかった。
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