海棠/カイドウ〜哀をなくした不遜な軍師と、愛しき共謀者が綴る備忘録〜
私は王の背中から、ひょっこり顔を出して。

「愚強様」
と、深く深く⋯頭を下げる。

この変わり身の早さには、流石の王も、「は?」と言いたげな不満そうな表情を浮かべるも⋯最早、構ってなどいられない。


「私にできることがあるのなら、何でもします。どうか申し付けください」


すると⋯どうだ?

愚強は偉ぶることもなく、先程と全く変わらない態度で⋯告げたのだった。


「有昧伯と共に、すぐに鐘山へ」



















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