一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
私が紹介したジンクスを、岡田がくだらないって顔をしたのも見たし、肝心の三宅くんは聞いてなかった。
「ガイドさん、あんたは結婚はされてないのかね?」
散策の時間。お茶を飲んで一息していると、木下さんという高齢のお客様に尋ねられた。
「え、ええ。してないんですよぉ、良い年して」
自己紹介で未婚既婚の類いは言わないけども、何となく察してほしい。指輪もしてないしさ。
「そうか、あんたがもう少し若ければ、うちのせがれにどうかと思ったが、やっぱり孫の顔を見たいんでねぇ」
「そりゃそうですよねぇ」
じいさん、何気に傷つくんですけど。
あなたの息子も50位でしょ? こっちだってノーサンキューだわよ。
「でもな、近所に嫁さんに先立たれて、子供も自立して独りで寂しく暮らしてる、金だけは貯えてるいい男がおるんよ。年は60で退職したばかり、そこに後妻に入るってのはどうだね? あんた、別嬪だしな」
……それ、近い未来、要介護よね?
「ありがとうございます。でも私、こういう仕事してますので、殆ど家に居ないので」
歳も40を過ぎたらこんな話しか来なくなる。
もう、私の恋の花は咲くことはないのだろうか?
「ガイドさん、あんたは結婚はされてないのかね?」
散策の時間。お茶を飲んで一息していると、木下さんという高齢のお客様に尋ねられた。
「え、ええ。してないんですよぉ、良い年して」
自己紹介で未婚既婚の類いは言わないけども、何となく察してほしい。指輪もしてないしさ。
「そうか、あんたがもう少し若ければ、うちのせがれにどうかと思ったが、やっぱり孫の顔を見たいんでねぇ」
「そりゃそうですよねぇ」
じいさん、何気に傷つくんですけど。
あなたの息子も50位でしょ? こっちだってノーサンキューだわよ。
「でもな、近所に嫁さんに先立たれて、子供も自立して独りで寂しく暮らしてる、金だけは貯えてるいい男がおるんよ。年は60で退職したばかり、そこに後妻に入るってのはどうだね? あんた、別嬪だしな」
……それ、近い未来、要介護よね?
「ありがとうございます。でも私、こういう仕事してますので、殆ど家に居ないので」
歳も40を過ぎたらこんな話しか来なくなる。
もう、私の恋の花は咲くことはないのだろうか?