一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
「皆様、お疲れ様でした。そして、【 南部観光バス 九州桜の名所巡りツアー二泊三日の旅 】にご参加下さりありがとうございました。私ども乗務員に至らない所があったと思いますが、皆様のご協力のもと、無事に長崎に戻って参りました。またご縁がありましたら、是非、旅のお供をさせてください。皆様に会える日を楽しみにしております」

 定番の挨拶ながら、この時は本気で感極まる。
 旅が長ければ長いほど。
 
 今回のツアーは三日間ではあったけれど、とても濃い内容だった。
 色々考えさせられ、大袈裟だけれど、試練も与えられた。
 
 皆様が拍手を下さり、会釈をしてお見送りのためにバスを降りた。
 
 そして、南高地域の皆さんが下車。主婦グループに、中年のご夫婦二組に南條さんだ。


「お疲れ様でした! 」「三日間お世話になりました!」
 
 お疲れなのに、皆様、笑顔で挨拶をしてくださり、次々とマイクロタクシーに乗り込んでいく。
 
「あなたたち、三人のトリオ、息がピッタリだったわね、また一緒に行きましょうね」
 
 あまりお話出来なかったご夫婦の奥さまがこんなことを言ってくれた。
 
  ″トリオ ″という言葉に岡田は苦笑いしてたけれど、嬉しかった。
 
 
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