一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 怒れない………。
 どんなに言い方が失礼で、優しさが欠けていても――胸が震えるくらいに嬉しかったから。


 そんなジンクスなら信じてみようかな。
 
「ほら、もう一つのジンクス。口、開けて花びら食えよ、好物だろ」
 
「草食動物じゃないっての」
 
 恋愛はもう無理だと諦めていた私が、心のどこかで求めていたもの――
 

 それは、限られた時間しか美しい花を咲かせられなくても、たとえ、それが過ぎてしまっても、枯れ朽ちるまで支え合える伴侶。
 
「これからも、よろしく………」
 

 春なのに、どこか冬みたいな夜空の下、私と岡田は、もう一度唇を合わせた。
 
 辛さのない、甘いだけのキスは、これからの長い旅の間、何度でもしたいと思った。

 死体はないと思うけど。

 満開の桜の木の下には、恋があった。






 ❀終わり❀




< 316 / 316 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:9

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
″裏の真実″に翻弄され、三度目の人生を歩む異世界恋愛ファンタジー。  古代遺物オタクの元伯爵令嬢  ✕  冷徹? 辺境軍人公爵  追放から始まるダークラブファンタジーです。 ※「1話だけ小説大賞」応募作品です。 続きは需要あれば別に書くかもしれません。 ✞アイリーン・フォン・ストラウス(18) 元伯爵令嬢。淑女教育よりも古代の遺物の解体に情熱を注ぎ、ついには身に覚えのない罪で廃嫡された。 ✞ヴァルター・フォン・ブラウトリート(28) 辺境の軍人公爵 追放された令嬢の「高度な知識」を利用して、荒れ果てた領地や遅れた文明を発展させる目論見で契約結婚する。 ✞エリッヒ・フォン・ストラウス(45) アイリーンの父。再婚する前はそれなりに優しかったが継母達が現れてから人が変わり、権力や物欲に目がなくなる。 ✞異母妹ローテ(15) 子供のような振る舞いだが、欲しいものは何が何でも手に入れる。 ✞ベルンハルト・フォン・アウグスブルク(18) アイリーン三回目の人生の元婚約者。
表紙を見る 表紙を閉じる
     顔以外、良いところが思い付かない? ※2020年頃、他サイトで公開してました短編です。   期間限定公開にするかもしれません。予めご了承ください。
夫のいない間に

総文字数/32,239

恋愛(その他)95ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
  ある朝、夫が出ていった。      ✂✂✂✂✂✂✂   別サイトで2019年頃、一時的に公開していたドラマ系です。   公開は期間限定となると思います。  ※タグをご確認、内容をお察しの上お読みください。  テーマやキャラ等の誹謗・中傷はお控えください。  

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop