一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
顔はいいのに、観光バスの社員であるにもかかわらず、ムスッとして表情が冷たい。
当日は大まかな打ち合わせをドライバーとするのだけど、この岡田の態度ったらビックリするくらい、とっつき悪かった。
「まずこのフェリーターミナルでトイレ休憩に入って頂いて、あとは中間サービスエリアと……」
「……あぁ」
と、たまに声を出すけど、コミュニケーションが取れない返事ばかり。
おまけに、行程表をチラ見するけども、話す私の顔は全く見ない。
見る価値もないのかもしれないけど、話してる人の目や口元を見なさい、って教わらなかった?
そもそも、こんな人が接客業務についていいの?
……と、思っていたら、意外にも、お客様には見事な愛想笑いを浮かべて対応するのだ。
「運転手さん、三日間宜しくねー!」
「珍しくイケメンの運転手だよ! あんた独身なの?! 嫁さん欲しくない? うちの娘、30過ぎても1人でさ…」
「ありがとうございます。でも、お嫁さんは要らないですね、一人が気楽なんで」
当日は大まかな打ち合わせをドライバーとするのだけど、この岡田の態度ったらビックリするくらい、とっつき悪かった。
「まずこのフェリーターミナルでトイレ休憩に入って頂いて、あとは中間サービスエリアと……」
「……あぁ」
と、たまに声を出すけど、コミュニケーションが取れない返事ばかり。
おまけに、行程表をチラ見するけども、話す私の顔は全く見ない。
見る価値もないのかもしれないけど、話してる人の目や口元を見なさい、って教わらなかった?
そもそも、こんな人が接客業務についていいの?
……と、思っていたら、意外にも、お客様には見事な愛想笑いを浮かべて対応するのだ。
「運転手さん、三日間宜しくねー!」
「珍しくイケメンの運転手だよ! あんた独身なの?! 嫁さん欲しくない? うちの娘、30過ぎても1人でさ…」
「ありがとうございます。でも、お嫁さんは要らないですね、一人が気楽なんで」