ピリオド
祝福の白(総司side)
僕にはずっと忘れられない初恋の人がいた。それが今日結婚する心春ちゃんだ。……彼女は僕のことを忘れているみたいだけど。
僕の父は転勤族で、二年から三年ほどで別の他府県に引っ越しを繰り返していた。関東に小学生の頃に引っ越した際、公園で偶然出会った心春ちゃんに恋をしたんだ。
仲良くなってしばらくしてまた引っ越すことになって、僕も心春ちゃんも泣いた。その時に心春ちゃんは言ったんだ。
『大人になったら結婚して』
結婚の意味もわからないまま、心春ちゃんとそんな約束をした。でも心春ちゃんと大人になってから会うことはなかった。あの日までは。
上司である降谷管理官から「娘と見合いをしてほしい」と頼まれ、料亭で会ったのが心春ちゃんだった。あの時の驚きと嬉しさは言葉では表せない。
タキシードに袖を通す。今日は僕と心春ちゃんの結婚式。多くの人が祝福してくれる。
今はまだ心春ちゃんの心は遠いところにある。でもいつか、本当の家族になりたい。
期待に胸を膨らませ、僕は花嫁の控え室へと向かった。
僕の父は転勤族で、二年から三年ほどで別の他府県に引っ越しを繰り返していた。関東に小学生の頃に引っ越した際、公園で偶然出会った心春ちゃんに恋をしたんだ。
仲良くなってしばらくしてまた引っ越すことになって、僕も心春ちゃんも泣いた。その時に心春ちゃんは言ったんだ。
『大人になったら結婚して』
結婚の意味もわからないまま、心春ちゃんとそんな約束をした。でも心春ちゃんと大人になってから会うことはなかった。あの日までは。
上司である降谷管理官から「娘と見合いをしてほしい」と頼まれ、料亭で会ったのが心春ちゃんだった。あの時の驚きと嬉しさは言葉では表せない。
タキシードに袖を通す。今日は僕と心春ちゃんの結婚式。多くの人が祝福してくれる。
今はまだ心春ちゃんの心は遠いところにある。でもいつか、本当の家族になりたい。
期待に胸を膨らませ、僕は花嫁の控え室へと向かった。