青に溶ける、きみ。
「……嫌だった?」
大塚くんの声で、はっと顔を上げる。そこには、少しだけ不安そうな表情があった。
「ち、違う」
慌てて首を横に振る。
「嫌じゃないよ」
その言葉は本当だった。大塚くんと話す時間は楽しい。いつも優しくて、私が困っているとすぐ気づいてくれる。
きっと一緒にいたら、穏やかな時間を過ごせるんだと思う。
だけど――胸の奥に浮かんだのは、別の笑顔だった。
暑い日にふざけながら笑う晴海。眠そうな顔で授業を受ける晴海。何気ない瞬間ばかりなのに、気づけばいつも探してしまう姿。
「……急だったから、びっくりしただけ」
そう言うと、大塚くんは少し安心したように笑った。
「そっか」
その笑顔を見るたびに、また胸が苦しくなる。
優しい人を傷つけたくない。期待させたくない。
でも、自分の気持ちに嘘をつくこともできない。