青に溶ける、きみ。
「まだ止んでないよ!?」
「だから、少し走れば平気」
いたずらが成功した子どもみたいな顔で笑う。
「コンビニまで行けば屋根あるし」
「そんな適当な……!」
思わず笑ってしまうと、「やっと笑った」と大塚くんがぽつりと言った。
「さっきからずっと難しい顔してたからさ。せっかく誘ったんだから、今日は考え事する日じゃなくて、笑う日にしよう」
そう言って私のバッグを軽く揺らす。
「ほら、行くぞ」
返事を待たずに教室の出口へ歩き出す背中は、少し強引なのに、不思議と嫌じゃなかった。
「もう……待ってよ」
苦笑しながら後を追いかける。
廊下へ出ると、雨はさっきより細くなっていて、湿った風が頬を撫でた。
曇り空の向こうが少しだけ明るくなっている。