青に溶ける、きみ。
見ないで。お願いだから、こっち見ないで。
そんなことを思いながら、私はできるだけ小声で事情を説明した。
緑の顔が、みるみるうちに崩れていく。いや、崩れているというか、完全に笑っている。口元がにやけすぎて隠しきれてない。
私は反射的にロッカーの扉を掴むと、そのまま勢いよく緑の顔を隠した。
「なんですか、これは?」
ロッカーの向こうからくぐもった声がする。
「緑、にやけすぎ…!晴海に会話聞こえてたらどうするの…!」
声を潜めながら必死に言うと、緑は呆れたみたいに、聞こえてるわけないでしょ、と言い切った。
いや、でも!もし聞こえてたらどうするの!?
緑はロッカー扉を少し押し返しながら、楽しそうに目を細めた。
「へぇー。ふたりで、ねぇ」
「だからそういう言い方しないで……!」
「明日の報告楽しみにしてるね」
「報告なんて何にもないから……!」
勉強するだけだから。ほんとに。ただそれだけ。
それだけなのに、なんでこんなに胸が落ち着かないんだろう。