青に溶ける、きみ。
晴海の言う通り、図書室の前の席はすでに埋まっている。
だけどその奥、本棚に挟まれるみたいにしてひっそりと置かれた四人掛けのテーブルだけが、見事に空いていた。
誰かの視線に触れてしまったらどうしよう、なんて思いが胸の奥で小さく騒ぎはじめて、テスト勉強に向かうはずの意識は、気づけば別のところへと引っ張られていく。
「どの教科からにする?」
晴海は椅子に荷物を置き、そのまま隣に座る。
「教科は、晴海に任せるよ」
そう答えながらも、本当は教科なんてどうでもよくなっていて、問題は別のところにあった。
……私は、どこに座ればいいの?
正面に座れば、まっすぐ視線がぶつかる距離になる。
それは、ただ勉強をするには近すぎて、必要以上に意識してしまう距離のような気がして、対角に逃げれば逃げたで、わざと距離を取ったみたいで落ち着かない。
「夏井?座んないの?」
呼ばれて、慌てて返事をする。
「あっ、うんっ」