マーガレット
「お父様! 私アレが欲しい! お姉様は元々私たちと血は繋がっていないんだから養子を解消してもいいでしょ? ねぇ」

「知ってる? リリアナ。実は皇帝陛下もこれを複数持っていて殿下たちが産まれた時にプレゼントしているって」

 第二皇子がつけていた指輪と皇太子がつけていたピアス。あれは全く同じ宝石だった上にブルーサファイヤだったからヴァルに尋ねると、何代か前の皇帝に契約者がいたらしい。

「え。じゃ、じゃあ結婚したらそれも私の物?」

「殿下が許してくださればそうなるんじゃない? ま、これは養子を解消しなきゃこれはあげられないけど」

「もぉ! お父様!」

 リリアナが我が儘を言うと最終的に『仕方ない』と言ってお父様は折れる。だから何かお願い事をするときはお父様よりもリリアナを説得してからってのが癖になった。

「……駄目だ。他の願いなら何でも叶えてやろう。だがマーガレットだけは駄目だ」

「え? なんでよぉ!」

 予想外の言葉に私もリリアナも動きを止め、お父様を見た。
 思いつめた表情のまま何も言わず『取り敢えずリリアナのことは頼んだ』と言い、部屋を出て行ってしまった。

「どう思う? リリアナ」

「おかしいわよ。だって私のお願いよ?」

 我が儘の間違いだけど、確かにおかしい。

「取引しない? リリアナはこれが欲しい、私はリリア家から抜けたい。だからお父様を説得で来たら精霊王の涙をもう一つあげるわ」

「も、もう一つ?! 嘘じゃないわよね!」

 妹を信じ込ませるために、もう一つ精霊王の涙を取り出し見せた。

 先ほどの物よりも純度が高く美しい物を見せると、目を輝かせ『私に任せて!』とリリアナはお父様を説得してくれることを約束した。

 少し薄情かもしれないが、第二皇子と結婚するなら孤児出身の私がいるのは枷になるかもしれないし、面倒ごとに巻き込まれそうで怖い。今でも相当巻き込まれているから、早めにどうにかしろと師匠も言っていたし、今回養子解消について話しをしてみたのに、まさか反対されるとは。

 リリアナのお願いも簡単に断ったってことは、何か理由がありそうね……。
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