ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
史弥のいない書店の一日は静かだったが、どことなく物足りなく感じてしまい、耀理はそんな自分に戸惑った。
いつものように備品のチェックをして取次に業務連絡をして、仕事をこなす。本に加えて雑貨の発注もある。書棚に売れ筋の雑貨を一緒において立体感を出し、コーナーへの注目度を上げるように工夫したりもした。
午後八時を過ぎると店が落ち着いてくる。
九時の閉店まであと少し、がんばろう。
そう思って店を巡回していた耀理は、エレベーターを降りて来た人影を見て固まった。
人々が店内に散っていく中、その女性はただひとり立ち止まり、じっと耀理を見る。
耀理はなにかが麻痺したように動けなくなった。
女性はゆっくりと耀理を目指して歩いて来て、にっこりと笑みを浮かべた。かわいいその顔に邪気があるように見えるのは、耀理が彼女に嫌悪を抱いているからか。
「お疲れ様、耀理」
「紀香……」
元親友を見つめ、耀理はただ立ち尽くしていた。