ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
「もう帰るの? お夕飯、一緒にいかが?」
「大丈夫です。ありがとうございます。お邪魔しました」
 今までありがとうの気持ちを込めて、耀理はおいとました。

 駅まで歩く途中、自然と史弥のことが頭に浮かぶ。
 これで彼を守れたんだという満足感と、もっと早くに彼を守りたかった悔しさがわく。
 もっと早くに紀香の正体に気付いて距離をとっていればこんなことにはならなかったのに。
 そうしてあふれる思いの中で、気持ちはひとつに収束していく。

 私、彼のこと好きになってたんだ。
 自覚するとともに、涙があふれる。

 もう彼に会ってはならない。
 彼はもう二度と会いくないと思っているだろう。放っておいて、と言われたくらいだ。
 こんな炎上、彼だって傷付いているに違いないのだ。いくらなんでも愛想が尽きるだろう。

 だけど、最後に彼に好きだと伝えたい。こんな図々しい願いは許されるのだろうか。
 連絡はするなと紀香に言われている。
 破ったところで、わかりはしないだろう。
 こっそり新アカウントを作って、彼のアカウントを探してDMを送ればいい。

 だけど、それができない性格だと、紀香に見破られている。
 もし万が一、彼女にバレたら、それこそどんな嫌がらせを史弥にするか、わからない。自分に被害が及ぶのはいいが、史弥にだけは迷惑をかけたくない。
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