腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした


           *


モールに着くと、週末ということもあり、人混みで溢れていた。
しかも、時期的なこともあり、バレンタインコーナーが特に混んでいた。
あまりじっくり見ることはできなさそうだが、私は初心者なため、綾香の意見を参考にしつつ、なるべく簡単なのを選ぼうと思う。

「茜、私はもう買う物は決まってるから、一緒に買う物選ぼっか?」

綾香の方から提案してくれた。これなら、頼みやすいので、頼んでみようかな。

「それじゃ、お願いします。お菓子作りなんて、学生の頃以来だから、久しぶりで…」

「あー…、あの友チョコシステムね。今思えば、友チョコシステムって、女子力の見せつけ合いみたいな感じで、怖かったわ」

その気持ちはとてもよく分かる。学生の頃はそうは思わなかったが、社会人になって改めて振り返ってみると、その光景がおぞましく感じるのであった。

「そうだったね。でも私、本当に仲良しなお友達にしかあげてなかったな」

「それが一番楽だし、正しいわよね。私は周りに話を合わせないといけなかったから、大変だったわ」
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