腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした


           *


さすがに今回は、私の方が先に着いた。
初めて美咲くんより先に着くことができて、なんだか誇らしい気持ちになった。
しかし、その誇らしい時間もあっという間に終わった…。

「茜、お待たせ」

メッセージが届いてから、待ち合わせ場所に向かったので、そんなに待たないであろうと思っていたが、まさかほんの数秒しか待たないとは思いもしなかった。

「早いね…。びっくりしたよ」

「ごめんごめん。早く会いたくて。少し急いじゃった」

人には急ぐなと言っておきながら、自分は急いでくるなんて…。
なんてあざといんだ。思考が乙女というより、ヲタクなのであった。
自分で言うのもなんだが、残念すぎる…。

「そ、そうなんだ。ありがとう。早く会いに来てくれて」

わざわざ県外から、電車に乗って会いに来てくれた。ホワイトデーのお返しを渡すために。

「いえいえ。お返しを返す立場だから、こちらが足を運ぶのは当然だけどな。
で、これは相談なんだけど、どこかでお返しを渡すのに良い場所って知らないか?」

良い場所…か。きっと美咲くんのことだから、事前に調べてくれたんだと思う。
でも、家の近所の私の方が詳しいから、直接聞いた方が早いと思い、敢えて私に聞いてくれたんだと思う。
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