腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
今回の飲み会は、茜が誘ってくれた。
イベント前に三人で集まった時に、飲みに行く約束をしていたのを覚えてくれていたみたいだ。
寧ろ俺達の方が忘れていたくらいである。
覚えていた茜は、律儀に誘ってくれた。俺達のために時間を割いてくれたことが嬉しかった。

「おう。次も参加するから、楽しみにしてるな」

「そう言ってくれてありがとう。私も楽しみにしてるね」

それから暫くの間、近況トークに花が咲いた。
久しぶりに一緒に過ごすこの時間が、とても楽しくて。いつまでも続いてほしいと思った。

「ごめん。私、ちょっとトイレ…」

茜がトイレに行ってしまった。そのタイミングで、綾香が小声で耳打ちしてきた。

「…ねぇ、あれからどうなったの?」

「どうなったって…?」

「まさか忘れたの?気持ち確かめるって言ってたじゃん」

忘れてたわけじゃない。ただ、現実逃避をしていたら、時間が少し経過していただけだ。

「えっと…、その…、ごめん。やっぱり無理だった…」

「はぁ?何してるのよ?ずっとこのままでいいの?」

いいわけがない。このままじゃダメなことくらい分かってる。
だからといって、グイグイいけるタイプではないので、なかなか踏み込めずにいる。
でも、このままずっと茜の返事を待っていても、答えがもらえる気がしない。
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