腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「私ももう限界だよ。美咲くんの言う通り、いつかそうなることを信じて、自分達なりのペースでゆっくり頑張っていこうって思えた」

私達は恋愛に奥手だ。どちらもリードするのは苦手だし、気負って頑張る必要もない。
今思えば、綾香と先輩はそういうことを伝えたかったのかもしれないと、後になって気づいた。

「そうだな。とりあえず、キスできたし」

キスという単語を連呼するだけで、恥ずかしくなってしまう。
いつか慣れる時が訪れるのだろうか。まだそんな姿は想像できないが、キスだけでドキドキできる私達の初な恋愛が、ゆっくりスタートしたことを実感した。

「無事にキスできたことだし、アニメ鑑賞会の再開をしない?」

美咲くんが場の空気を変えてくれた。
いつまでもこの空気には耐えられないので、美咲くんの提案に乗っかった。

「いいね。アニメ見よう」

それから私達は、気になっていたアニメをノンストップで見続けた。
私達にはまだ甘い時間より、こういう時間の方が落ち着く。
こういう時間も大切だ。私達らしくいるために。
これからも私達らしい時間を大切にしていこうと思う。
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