腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「それじゃ、そろそろ失礼するわね。今日、同行する友達と待ち合わせしないとだから」

すっかり忘れていた。綾香は今日、別行動であることを…。

「そっか。名残り惜しいけど、またね」

「お互いに別々参加だけど、楽しもうな」

「そうね。楽しみましょ。それじゃ、またね」

バイバイと手を振りながら、綾香は去った。
二人になった途端、寂しさのあまりやけに静かに感じた。

「相変わらず、忙しい奴だな」

「確かに。でも、綾香らしいよね」

「そうだな。アイツらしいな」

綾香のパワフルなところに、私達はエネルギーをもらった。
このエネルギーを源にして、最後まで全力で楽しもうと思う。

「まもなく、開演致します。…〜……」

場内アナウンスが流れた。いよいよ開演か。
今日を迎えるまで、あっという間だった。美咲くんと一緒に準備している時間が、とても楽しかった。
いざ推しを拝む時がやってきたかと思うと、ドキドキしてきた。

「とりあえず、列に並ぼっか」

「そうだね。並ぼっか」

列の最後尾に並んだ。並んですぐに鞄からチケットと身分証明書を出した。
早めに出しておいた方が、入場する時にスムーズに事を進められるからである。
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