腐女子がオフ会で知り合ったのは腐男子でした
「ごめん。今、そんな時間はない。急いでるから」

「だよね。ごめんね。足止めしちゃって…」

元カノさんは悲しい表情をしていた。その表情が私の脳内にこびりつき、少し気になってしまった。

「それじゃ。さよなら…」

スタスタと先を歩く美咲くん。私は慌てて美咲くんの後を追いかけた。

「待って、美咲くん。置いてかないで…」

私の声に足を止め、振り返ってくれた。
美咲くんの気持ちは分からなくもない。誰しも元彼や元カノに遭遇すれば、逃げ出したくもなる。
特にこういった場所で再会なんてしたくはないものだ。

「ごめん。俺、今、気持ちに余裕がなくて…」

「ううん。全然大丈夫だよ。そうだよね。あまり無理はしないでね?」

これはこのままお開きにした方が良さそうな雰囲気だ。
私はせっかくの休日なので、暫くこのまま池袋にいようかな…なんて思った矢先に、

「俺の話を少し聞いてもらってもいい?」

なんて提案されてしまった。どうやら、まだお開きにしなくては良さそうだ。
そうだと分かり、少し安心している自分と、同時に心がザワついている自分もいた。

「いいよ。時間もたっぷりあるから、美咲くんの話を是非、聞かせてほしい」

聞きたいような聞きたくないような…。
これから話を聞くのが少しだけ怖いと思っている自分がいた。
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