妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
「回数は減少しましたが、何度かは家を抜け出して仮面舞踏会へと足を運んでいるようです。公爵夫妻はその事実に気がついておりません。また我々が入れ替わりの件を把握していることにも気づいていないかと」
「グレイザント公爵にも舐められたものだな」
影の報告に、陛下は鼻で笑う。生涯、隠し通せると何故思ったか。
「しかし……尻尾を出すのは早かったな。堪え性がない娘だ」
「元々『男遊びが激しく、だらしのない異母妹』という噂が流れておりましたので」
「だから仮面舞踏会、か……」
頭を抱える陛下。彼が懸念していたのは、仮面舞踏会だけではない。
「王子妃教育は今だに基礎しか教えていないと言うが……」
入れ替わりが判明する前から、実は勉強の進捗が遅いという話は耳に入っていた。
最初は妹が亡くなったことに対して気落ちしているのかと考えたが……単に勉強が嫌いな娘だとは。本性が判明するにつれて、全てが一本の線で繋がる。やはりあの娘はじっとしていることが無理だったのだろう。頻度は減ったとは言え、仮面舞踏会に参加しては貴族の男を引っ掛けているらしい。
「これは姉の評判も正しいものか分からないな」
「それですが……こちらは姉であるエーヴァについて調査書でございます」
「ご苦労」
陛下は影から書類を受け取ると、影を下がらせる。そしてすぐに書類に目を通すと、書かれている内容に息を呑んだ。
「物置に閉じ込めて、食事は一日一食……時には現公爵夫人と妹から暴力、だと……」
公爵と前公爵夫人の仲は冷めているという話は聞いていた。だが、まさか実の娘を虐げるほどまでとは。
姉であるエーヴァは爵位を継ぐ資格がある。現公爵夫人と前公爵夫人では、エーヴァの母である前公爵夫人の方が地位も高い。周囲からすれば、彼女が爵位を継ぐのは当たり前だと判断しただろう。
陛下は報告書を宰相へと渡した後、彼に目配せをする。陛下の真意を理解した宰相は、報告書に一通り目を通した後それを戻す。そしてすぐに頭を下げて部屋を退出した。
「さて、どうしてくれようか」
温度のない瞳で、報告書を睨みつける陛下。公爵家に断罪の足音が忍び寄っていた。
「グレイザント公爵にも舐められたものだな」
影の報告に、陛下は鼻で笑う。生涯、隠し通せると何故思ったか。
「しかし……尻尾を出すのは早かったな。堪え性がない娘だ」
「元々『男遊びが激しく、だらしのない異母妹』という噂が流れておりましたので」
「だから仮面舞踏会、か……」
頭を抱える陛下。彼が懸念していたのは、仮面舞踏会だけではない。
「王子妃教育は今だに基礎しか教えていないと言うが……」
入れ替わりが判明する前から、実は勉強の進捗が遅いという話は耳に入っていた。
最初は妹が亡くなったことに対して気落ちしているのかと考えたが……単に勉強が嫌いな娘だとは。本性が判明するにつれて、全てが一本の線で繋がる。やはりあの娘はじっとしていることが無理だったのだろう。頻度は減ったとは言え、仮面舞踏会に参加しては貴族の男を引っ掛けているらしい。
「これは姉の評判も正しいものか分からないな」
「それですが……こちらは姉であるエーヴァについて調査書でございます」
「ご苦労」
陛下は影から書類を受け取ると、影を下がらせる。そしてすぐに書類に目を通すと、書かれている内容に息を呑んだ。
「物置に閉じ込めて、食事は一日一食……時には現公爵夫人と妹から暴力、だと……」
公爵と前公爵夫人の仲は冷めているという話は聞いていた。だが、まさか実の娘を虐げるほどまでとは。
姉であるエーヴァは爵位を継ぐ資格がある。現公爵夫人と前公爵夫人では、エーヴァの母である前公爵夫人の方が地位も高い。周囲からすれば、彼女が爵位を継ぐのは当たり前だと判断しただろう。
陛下は報告書を宰相へと渡した後、彼に目配せをする。陛下の真意を理解した宰相は、報告書に一通り目を通した後それを戻す。そしてすぐに頭を下げて部屋を退出した。
「さて、どうしてくれようか」
温度のない瞳で、報告書を睨みつける陛下。公爵家に断罪の足音が忍び寄っていた。

