妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
第34話 私の想い
女神祭一ヶ月ほど前。
「今日は空の街からイグナスがやってくる」
昼食時、唐突にアダン様から話を振られて面食らっていた私だったが、イグナスと聞いて私は思い出した。そう、以前この王城に来て、商品を見せてくれた男性商人だ。
ノアは目を輝かせて声を上げた。
「え! 僕もイグナスのところへ見に行っていい?」
「ああ。彼女と一緒に行ってくれるか?」
「分かった! エーヴァ、一緒に行こう!」
私がノアの言葉に頷くと、少しだけアダン様の表情が曇ったような気がしたけれど……見間違えだろう。二人で「楽しみだ」と口々に言い合っていると、アダン様の視線を感じる。振り返って彼の顔を見ると、まだ私へと視線を向けていたので、目を白黒させながら訊ねた。
「どうしましたか?」
「あ、いや。それを身につけてくれているのだな、と思っただけだ」
視線の先にある物が何か気がついて、私は俯いた。そう、今日はアダン様から初めて戴いた首飾りを身につけていたのだ。
普段はあまりしていないのだが、今日はイルゼが、服と装飾品を合わせようとしていたこともあり、最初から身につけていたのだ。忙しない状態でここに来た私は、すっかり忘れておりそのまま外すことなく今に至っていた。
顔を上げると、アダン様はまだ私を見ている。そして――
「少々貸してくれるだろうか?」
「え、あ、はい」
思わず返事をした私は、首飾りを外してアダン様へと手渡す。そしてアダン様は渡されたそれをじっと眺めてから、装飾に使われている水色の石へと手を触れる。
しばらくの間、石の肌触りを確かめるかのように優しく触った後、アダン様は座っている私の首元に付け直してくれた。
「今日は空の街からイグナスがやってくる」
昼食時、唐突にアダン様から話を振られて面食らっていた私だったが、イグナスと聞いて私は思い出した。そう、以前この王城に来て、商品を見せてくれた男性商人だ。
ノアは目を輝かせて声を上げた。
「え! 僕もイグナスのところへ見に行っていい?」
「ああ。彼女と一緒に行ってくれるか?」
「分かった! エーヴァ、一緒に行こう!」
私がノアの言葉に頷くと、少しだけアダン様の表情が曇ったような気がしたけれど……見間違えだろう。二人で「楽しみだ」と口々に言い合っていると、アダン様の視線を感じる。振り返って彼の顔を見ると、まだ私へと視線を向けていたので、目を白黒させながら訊ねた。
「どうしましたか?」
「あ、いや。それを身につけてくれているのだな、と思っただけだ」
視線の先にある物が何か気がついて、私は俯いた。そう、今日はアダン様から初めて戴いた首飾りを身につけていたのだ。
普段はあまりしていないのだが、今日はイルゼが、服と装飾品を合わせようとしていたこともあり、最初から身につけていたのだ。忙しない状態でここに来た私は、すっかり忘れておりそのまま外すことなく今に至っていた。
顔を上げると、アダン様はまだ私を見ている。そして――
「少々貸してくれるだろうか?」
「え、あ、はい」
思わず返事をした私は、首飾りを外してアダン様へと手渡す。そしてアダン様は渡されたそれをじっと眺めてから、装飾に使われている水色の石へと手を触れる。
しばらくの間、石の肌触りを確かめるかのように優しく触った後、アダン様は座っている私の首元に付け直してくれた。