妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
その後、アダン様と別れた後、私はノアと一緒に商人イグナスさんの元へ向かう。
以前と同じように人畜無害そうな笑みを見せているイグナスさんは、楽しそうにノアと挨拶をしている。
「今回は勉強用の道具で必要そうな物をお持ちしました」
「え〜、おもちゃは?」
ノアの不満そうな表情に声を上げて笑うイグナスさん。
「いつものように最後にお見せしますから、ご安心ください」
「なら良かった!」
そう言って笑い合う二人を微笑みながら見つめていると、イグナスさんが勢いよくこちらを振り向いた。
「エーヴァ様にも日常使いができそうな商品を幾つかお持ちしましたので、ぜひご覧ください」
「ありがとうございます」
そして二人は商品が置かれている部屋へと案内された。
部屋には今回、服がメインに置かれていた。テーブルにはノアの勉強用の道具や、私が日常的に使用しているハンカチ、ペンなどが所狭しとひしめき合っている。
ここにある商品は、空の街で人気の高いものなのだとか。確かに以前行った時にも、似たような装飾のものを見たのを覚えている。
一通り眺めていると、ある商品が目に入った。それは一本のペンで、周囲をモヤが包んでいる。そのモヤの中心には、水色の石が埋め込まれていた。ふと、胸に掛けている首飾りの石が目に入る。その石もモヤが掛かっていた。
けれども、そのモヤはなんだか心地が良い……。そっと触れて気がついた。これはアダン様の魔力であることに。私はイグナスさんに声を掛けた。
「イグナスさん、このペンの石、綺麗ですね」
「こちらは空の街で入手できる宝石を埋め込んだ筆記用具です。水色がお好きかと思いまして、お持ちいたしました」
彼曰く、この宝石はスカイマリンと言って、「空」と「海」の色を合わせたような色味を持つところから名づけられたのだという。空の街でもこの宝石を所持すると良いことがあると言われているようだ。
じっと眺めていると、イグナスさんが私に話しかけてきた。
「使用してみますか?」
そう訊ねられたけれど、私は首を左右に振る。
「ごめんなさい。最近アダン様から筆記用具は戴いたので、購入は見送ります。代わりにこちらのハンカチをいただけますか?」
「……承知いたしました。後で精算いたしますね」
返答に少し間が空いたような気がしたけれど、気のせいだろう。私は幾つか購入する商品をイグナスさんへと渡すと、彼は私に視線を合わせて告げた。
以前と同じように人畜無害そうな笑みを見せているイグナスさんは、楽しそうにノアと挨拶をしている。
「今回は勉強用の道具で必要そうな物をお持ちしました」
「え〜、おもちゃは?」
ノアの不満そうな表情に声を上げて笑うイグナスさん。
「いつものように最後にお見せしますから、ご安心ください」
「なら良かった!」
そう言って笑い合う二人を微笑みながら見つめていると、イグナスさんが勢いよくこちらを振り向いた。
「エーヴァ様にも日常使いができそうな商品を幾つかお持ちしましたので、ぜひご覧ください」
「ありがとうございます」
そして二人は商品が置かれている部屋へと案内された。
部屋には今回、服がメインに置かれていた。テーブルにはノアの勉強用の道具や、私が日常的に使用しているハンカチ、ペンなどが所狭しとひしめき合っている。
ここにある商品は、空の街で人気の高いものなのだとか。確かに以前行った時にも、似たような装飾のものを見たのを覚えている。
一通り眺めていると、ある商品が目に入った。それは一本のペンで、周囲をモヤが包んでいる。そのモヤの中心には、水色の石が埋め込まれていた。ふと、胸に掛けている首飾りの石が目に入る。その石もモヤが掛かっていた。
けれども、そのモヤはなんだか心地が良い……。そっと触れて気がついた。これはアダン様の魔力であることに。私はイグナスさんに声を掛けた。
「イグナスさん、このペンの石、綺麗ですね」
「こちらは空の街で入手できる宝石を埋め込んだ筆記用具です。水色がお好きかと思いまして、お持ちいたしました」
彼曰く、この宝石はスカイマリンと言って、「空」と「海」の色を合わせたような色味を持つところから名づけられたのだという。空の街でもこの宝石を所持すると良いことがあると言われているようだ。
じっと眺めていると、イグナスさんが私に話しかけてきた。
「使用してみますか?」
そう訊ねられたけれど、私は首を左右に振る。
「ごめんなさい。最近アダン様から筆記用具は戴いたので、購入は見送ります。代わりにこちらのハンカチをいただけますか?」
「……承知いたしました。後で精算いたしますね」
返答に少し間が空いたような気がしたけれど、気のせいだろう。私は幾つか購入する商品をイグナスさんへと渡すと、彼は私に視線を合わせて告げた。