妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
そうイグナスさんに言われて、私はにっこりと微笑んだ。彼の言う通りだ。アダン様の隣に私がもし立つのであれば、彼に見合った物を身につけるべきであることは理解している。
「ベリルはスカイマリンよりも採取量が多いので、どうしても大衆向けの装飾品となります。アダン様は一国の領主、それ相応の物を身につける必要があるかと愚考いたしますが……」
「ええ、イグナスさんの仰る通りだと思います」
彼の言葉は正しい。同意する。
そんな私にイグナスさんは目を瞬かせた後、口角を上げた。
「では、どちらを……」
「ですが……私は、スカイマリンを身につけるつもりがありません。アダン様に戴いたこの首飾りが私の宝物です。今回の女神祭では、戴いた物を私が身につけたいと思っているのです」
私はアダン様から戴いた首飾りの宝石に触れる。自然と笑みがこぼれた。
自分に足りないモノは多いと思うし、すぐにそれを埋められる自信もない。ただ、私は今の自分が以前の私よりも好きなのだ。
――アダン様には、ありのままの自分を見てもらいたい。
だから、外見だけ見繕って虚勢を張るつもりもないのだ。イグナスさんの懸念も理解しているつもりではあるが、今回は譲れない。
穏やかに告げると、イグナスさんの口元が少し歪んだような気がしたが、瞬きした次の瞬間は普段のように微笑んでいた。
「では、次にここへ来る時には、様々な作家の商品をお持ちしましょう」
「お願いします」
その時、後ろからノアの声が聞こえた。私は彼に呼ばれて、隣の部屋へと入っていく。そんな私の背を、イグナスさんがじっと見つめていたことに、私は気がつかなかった。
「ベリルはスカイマリンよりも採取量が多いので、どうしても大衆向けの装飾品となります。アダン様は一国の領主、それ相応の物を身につける必要があるかと愚考いたしますが……」
「ええ、イグナスさんの仰る通りだと思います」
彼の言葉は正しい。同意する。
そんな私にイグナスさんは目を瞬かせた後、口角を上げた。
「では、どちらを……」
「ですが……私は、スカイマリンを身につけるつもりがありません。アダン様に戴いたこの首飾りが私の宝物です。今回の女神祭では、戴いた物を私が身につけたいと思っているのです」
私はアダン様から戴いた首飾りの宝石に触れる。自然と笑みがこぼれた。
自分に足りないモノは多いと思うし、すぐにそれを埋められる自信もない。ただ、私は今の自分が以前の私よりも好きなのだ。
――アダン様には、ありのままの自分を見てもらいたい。
だから、外見だけ見繕って虚勢を張るつもりもないのだ。イグナスさんの懸念も理解しているつもりではあるが、今回は譲れない。
穏やかに告げると、イグナスさんの口元が少し歪んだような気がしたが、瞬きした次の瞬間は普段のように微笑んでいた。
「では、次にここへ来る時には、様々な作家の商品をお持ちしましょう」
「お願いします」
その時、後ろからノアの声が聞こえた。私は彼に呼ばれて、隣の部屋へと入っていく。そんな私の背を、イグナスさんがじっと見つめていたことに、私は気がつかなかった。