妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
「エーヴァ様には別途に私から、装飾品をご用意させて戴きました。宜しければご覧になりますか?」
「ありがとうございます。是非」

 扉の奥を見ると、ノアが声を上げて楽しそうにおもちゃを動かしている。
 私の視線がノアに向かっている間に、イグナスさんが空いている場所に装飾品を置いてくれた。声を掛けられた私が装飾品を目にすると、そこには先ほど話していたスカイマリンを使用した装飾品が多く置かれている。

「水色がお好きなのかと思いまして、そちらを中心にお持ちいたしました」
「ありがとうございます」
 
 圧巻の一言だ。大小様々な種類の宝石が埋め込まれた装飾品たち。窓から入る光に照らされて、キラキラと輝いているのだけれど……宝石の周りには、やはりモヤのようなものが付いている。
 それを見て、なんとなく触れるのをためらってしまった。
 
 折角出してくれたのだから、と装飾品を眺めていると、イグナスさんがひとつずつ説明してくれる。
 ひとつひとつの装飾品が由緒ある細工師によって作られたものらしい。彼の熱の入り方を見ると、本当に有名で人気のある方が作成しているのだと実感する。

 そんな時に、私の胸で石が揺れた。私が無意識に石に触れていると、イグナスさんが私の首飾りをじっと見つめてくる。

「ふむ、そちらは最近売り出した新人細工師のものですね。エーヴァ様でしたら、こちらの方がお似合いかと」

 そう言われて差し出されたのは、そこまで派手でもなく、今身に着けているものよりも少し大きめの飾りが付いている首飾り。確かに大ぶりの物よりも好みだ。けれど――

「ありがとうございます。ですが、私はこちらの方が好みなのです」

 そう言い切ると、イグナスさんは少し驚いたような表情を浮かべた。
 
「おや、エーヴァ様。アダン様の隣に立つのであれば、もう少し格の高いものが良いと思うのですが……」
< 121 / 149 >

この作品をシェア

pagetop