妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
第42話 決別
扉の奥にある廊下が騒がしくなってくる。アダン様と私が新手かと身構えていると、そこに入ってきたのはエルマーたち警備隊だった。
「アダン! 大丈夫……か……?」
警備隊の方々は部屋の惨状に唖然としていた。
それもそのはず。夫人は中腰、リリスは後ろにひっくり返りそうな態勢。公爵は寝転がって片足だけ上げている状態。そんな状況で微動だにしていないのだから。
彼はその光景を見た瞬間、奥に佇んでいるアダン様の魔術だと理解したのだろう。すぐに他の者に指示を出し、三人を縄で捕縛しつつ魔道具を回収。そして全てを終えたと判断した後、アダン様へと声をかけた。
「アダン、助かった。もう魔術を解いて構わないぞ」
「分かった」
アダン様が指を鳴らしたのと同時に、公爵が、「痛い」と喚き散らかしている。
夫人は力が抜けたのか、膝を地面につける。魔術によって恐怖を感じたのか、目の焦点が合っていない。
リリスは勢い余って後ろにひっくり返りそうになったが……後ろで待機していた警備隊によってことなきを得た。しかし、彼女も呆然としている。
けれども、警備隊の者たちが彼女たちを立たせたり、歩かせようとすると……意識が戻ったのか、まるで周囲に噛みつくかのように声を張り上げた。
「なんでお前が幸せになってるんだ! その立場は私のものよ!」
「お前は私たちと地上に戻るのよ――」
ぎゃあぎゃあとみっともなく叫ぶ三人を見る。その声を聞いていたアダン様はふと口を開いた。
「自分のことしか考えてないのだな、お前たちは。人を利用して幸せになるなど……本当の幸せではないだろうに」
アダン様が憐憫の念を込めて発した言葉は、予想以上に室内へと響いた。そして彼女たちはその言葉の意味をきちんと理解したのか……顔を真っ赤にして更に声を荒げる。
「利用などしてないわ! あいつにもいい条件でしょう?! だって第二王子と婚約できるのよ?!」
「そうよ! 公爵家は安泰、リリスはここで幸せになる、お前は王家で幸せになる! いい事づくめでしょう?!」
二人はアダン様の言葉に反論する。
私は更に一歩前に出ると、二人に微笑んだ。うまく笑みは作れただろうか。
「アダン! 大丈夫……か……?」
警備隊の方々は部屋の惨状に唖然としていた。
それもそのはず。夫人は中腰、リリスは後ろにひっくり返りそうな態勢。公爵は寝転がって片足だけ上げている状態。そんな状況で微動だにしていないのだから。
彼はその光景を見た瞬間、奥に佇んでいるアダン様の魔術だと理解したのだろう。すぐに他の者に指示を出し、三人を縄で捕縛しつつ魔道具を回収。そして全てを終えたと判断した後、アダン様へと声をかけた。
「アダン、助かった。もう魔術を解いて構わないぞ」
「分かった」
アダン様が指を鳴らしたのと同時に、公爵が、「痛い」と喚き散らかしている。
夫人は力が抜けたのか、膝を地面につける。魔術によって恐怖を感じたのか、目の焦点が合っていない。
リリスは勢い余って後ろにひっくり返りそうになったが……後ろで待機していた警備隊によってことなきを得た。しかし、彼女も呆然としている。
けれども、警備隊の者たちが彼女たちを立たせたり、歩かせようとすると……意識が戻ったのか、まるで周囲に噛みつくかのように声を張り上げた。
「なんでお前が幸せになってるんだ! その立場は私のものよ!」
「お前は私たちと地上に戻るのよ――」
ぎゃあぎゃあとみっともなく叫ぶ三人を見る。その声を聞いていたアダン様はふと口を開いた。
「自分のことしか考えてないのだな、お前たちは。人を利用して幸せになるなど……本当の幸せではないだろうに」
アダン様が憐憫の念を込めて発した言葉は、予想以上に室内へと響いた。そして彼女たちはその言葉の意味をきちんと理解したのか……顔を真っ赤にして更に声を荒げる。
「利用などしてないわ! あいつにもいい条件でしょう?! だって第二王子と婚約できるのよ?!」
「そうよ! 公爵家は安泰、リリスはここで幸せになる、お前は王家で幸せになる! いい事づくめでしょう?!」
二人はアダン様の言葉に反論する。
私は更に一歩前に出ると、二人に微笑んだ。うまく笑みは作れただろうか。