妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
「お待たせいたしました」
アダンとセファーの二人は片眼鏡の男性――エアドールに呼ばれていた。彼は二人を招いてからソファーへと座らせると、ふぅ……とため息をつく。
「お時間を取らせてしまい、申し訳ございませんでした」
「ううん、僕も任せちゃってごめんね」
セファーがそう告げると、エアドールは恐縮したかのように縮こまる。彼は緊張からか小刻みに震える手で片眼鏡を直した後、後ろにいた者から資料を受け取った。
「依頼を受けて調べましたが、フィーデ様を信仰する者の中にイグナスという者はおりませんでした」
街に暮らす者たちが、どの神を信仰しているのか……その書類は王宮内に収められている。これはネレイダの街も同様だ。そしてその書類を見られるのは、上層部の一握りだけなのである。
自分で言い放った言葉にもかかわらず、エアドールは眉間に皺を寄せている。アダンは腕を組んで、眉間を揉んでいた。そしてセファーの顔からは普段の笑みが消え、口を一文字に結んで天井を見上げている。
信仰する神が違っても、他の街に住むことはできる。だから、イグナスがフィーデを信仰していなかったとしても、空の街で商売を行う分には問題ない。
けれども、部屋の空気は沈んだままだった。
「水の神にもイグナスの名前はなかった」
「そうでしたか……」
エアドールは天井を仰ぎ見る。
「地の神セフィオル様の信仰者であれば良いのですが……そうではないとなると――」
彼は口を濁す。その続きを言葉にしたのはアダンだった。
「火の神フレイデン様の信者、か……」
アダンとセファーの二人は片眼鏡の男性――エアドールに呼ばれていた。彼は二人を招いてからソファーへと座らせると、ふぅ……とため息をつく。
「お時間を取らせてしまい、申し訳ございませんでした」
「ううん、僕も任せちゃってごめんね」
セファーがそう告げると、エアドールは恐縮したかのように縮こまる。彼は緊張からか小刻みに震える手で片眼鏡を直した後、後ろにいた者から資料を受け取った。
「依頼を受けて調べましたが、フィーデ様を信仰する者の中にイグナスという者はおりませんでした」
街に暮らす者たちが、どの神を信仰しているのか……その書類は王宮内に収められている。これはネレイダの街も同様だ。そしてその書類を見られるのは、上層部の一握りだけなのである。
自分で言い放った言葉にもかかわらず、エアドールは眉間に皺を寄せている。アダンは腕を組んで、眉間を揉んでいた。そしてセファーの顔からは普段の笑みが消え、口を一文字に結んで天井を見上げている。
信仰する神が違っても、他の街に住むことはできる。だから、イグナスがフィーデを信仰していなかったとしても、空の街で商売を行う分には問題ない。
けれども、部屋の空気は沈んだままだった。
「水の神にもイグナスの名前はなかった」
「そうでしたか……」
エアドールは天井を仰ぎ見る。
「地の神セフィオル様の信仰者であれば良いのですが……そうではないとなると――」
彼は口を濁す。その続きを言葉にしたのはアダンだった。
「火の神フレイデン様の信者、か……」