妹に代わり泉に身を投げた私、湖底の街で愛を知る 〜虐げられた私が幸せを築くまで〜
第21話 帰宅後
ネレイダの王宮に戻った私達。
アダン様は仕事のため早急に執務室へと向かった。セファーさんも「僕疲れちゃったぁ」と言って図書館へと帰っていく。一瞬だけ神妙な表情を見せたような気がしたけれど……いや、多分気のせいだろう。
私とノアは二人で廊下を歩く。そして私の部屋に辿り着いた時、ノアが話しかけてきた。
「ねえ、今日はこの後家庭教師もないから、もう少しお話ししてもいい?」
思わぬ言葉に目をしばたたかせる。そう言えば最近はノアとお昼以外話せてなかったことを思い出し、頷いた。
喜ぶノアを尻目に、イルゼさんに準備をお願いすれば、満面の笑みで了承してくれる。目前に広がる庭の右奥にあるガゼボでお茶をしようと約束した私たちは、着替えるために一旦別れた。
そしてイルゼさんが私に声を掛けるのと同時に、ノアの声が遠くから聞こえてくる。どうやら着替えが終わってそのまま私の部屋を訪ねてくれたらしい。
私たちはイルゼさんに案内されて、ガゼボでお茶を始めた。
空の街はノアにとっても初めての経験だったらしい。
セファーさんに案内してもらい、食事処やら観光名所やらを足早に巡っていたのだとか。ネレイダにはない果物や野菜を見かけたので、許可を得て購入してきたそうだ。
果物や野菜は全て調理場へと渡したらしく、今目の前に出てきた果物も空の街で売っていたものが幾つか入っているようだ。
ノアは目を輝かせながら、私に食べるよう勧めてくる。
空の街で幾らかつまんできたとは言え、よく歩いたのでお腹が空いていたのか……下から小さな音が鳴った。私は言葉に甘えて、ノアが差し出してくれた果物を口に入れる。
ひとつ目は夕焼けのような色をした果物だった。口に放り込むと、まず甘さが広がった。そして後を追うかのようにほんのりとした酸味が口の中に充満する。
癖になる味だ。甘すぎず、酸っぱすぎず……食べやすいな、と私は思った。
「どう? 僕も試食して美味しいなって思ったんだ!」
どうやら偶然見つけた店で試食を勧められて、美味しかったから購入したらしい。美味しいこととお礼を伝えると、ノアはまるで花開いたような笑顔を見せた。
「よかった! こっちも食べてみてよ〜!」
差し出された器に盛られているたくさんの果物。私はノアに感謝を告げながら、一切れずつ食べさせてもらった。
全ての果物を味見させてもらった後、私が口元を拭っていると、ノアがニヤニヤとした表情で私を見つめている。
私が首を傾げると、彼は目を輝かせて話し始めた。
「ねぇねぇ、さっきは聞けなかったんだけど……その首飾りはアダン様に買ってもらったんでしょ?」
「え、ええ……」
私の首元には今、ふたつの小飾りが揺れている。帰ってきた私は、首飾りをいつでも外すことができたのだけれど……外すのがもったいなくて、今も身につけたままだった。
私は空の街で購入した首飾りの装飾に触れる。ひんやりとした感覚が手に伝わり、まるで「ここにある」と主張しているようだった。
「エーヴァって水色が好きなの?」
アダン様は仕事のため早急に執務室へと向かった。セファーさんも「僕疲れちゃったぁ」と言って図書館へと帰っていく。一瞬だけ神妙な表情を見せたような気がしたけれど……いや、多分気のせいだろう。
私とノアは二人で廊下を歩く。そして私の部屋に辿り着いた時、ノアが話しかけてきた。
「ねえ、今日はこの後家庭教師もないから、もう少しお話ししてもいい?」
思わぬ言葉に目をしばたたかせる。そう言えば最近はノアとお昼以外話せてなかったことを思い出し、頷いた。
喜ぶノアを尻目に、イルゼさんに準備をお願いすれば、満面の笑みで了承してくれる。目前に広がる庭の右奥にあるガゼボでお茶をしようと約束した私たちは、着替えるために一旦別れた。
そしてイルゼさんが私に声を掛けるのと同時に、ノアの声が遠くから聞こえてくる。どうやら着替えが終わってそのまま私の部屋を訪ねてくれたらしい。
私たちはイルゼさんに案内されて、ガゼボでお茶を始めた。
空の街はノアにとっても初めての経験だったらしい。
セファーさんに案内してもらい、食事処やら観光名所やらを足早に巡っていたのだとか。ネレイダにはない果物や野菜を見かけたので、許可を得て購入してきたそうだ。
果物や野菜は全て調理場へと渡したらしく、今目の前に出てきた果物も空の街で売っていたものが幾つか入っているようだ。
ノアは目を輝かせながら、私に食べるよう勧めてくる。
空の街で幾らかつまんできたとは言え、よく歩いたのでお腹が空いていたのか……下から小さな音が鳴った。私は言葉に甘えて、ノアが差し出してくれた果物を口に入れる。
ひとつ目は夕焼けのような色をした果物だった。口に放り込むと、まず甘さが広がった。そして後を追うかのようにほんのりとした酸味が口の中に充満する。
癖になる味だ。甘すぎず、酸っぱすぎず……食べやすいな、と私は思った。
「どう? 僕も試食して美味しいなって思ったんだ!」
どうやら偶然見つけた店で試食を勧められて、美味しかったから購入したらしい。美味しいこととお礼を伝えると、ノアはまるで花開いたような笑顔を見せた。
「よかった! こっちも食べてみてよ〜!」
差し出された器に盛られているたくさんの果物。私はノアに感謝を告げながら、一切れずつ食べさせてもらった。
全ての果物を味見させてもらった後、私が口元を拭っていると、ノアがニヤニヤとした表情で私を見つめている。
私が首を傾げると、彼は目を輝かせて話し始めた。
「ねぇねぇ、さっきは聞けなかったんだけど……その首飾りはアダン様に買ってもらったんでしょ?」
「え、ええ……」
私の首元には今、ふたつの小飾りが揺れている。帰ってきた私は、首飾りをいつでも外すことができたのだけれど……外すのがもったいなくて、今も身につけたままだった。
私は空の街で購入した首飾りの装飾に触れる。ひんやりとした感覚が手に伝わり、まるで「ここにある」と主張しているようだった。
「エーヴァって水色が好きなの?」