ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
「あれ? ここ、どこ……??」
玄関ホールで靴を履き替えたはいいけれど、広すぎる校舎内で私はさっそく迷子になっちゃった!?
入学式までもう時間がないのに、どうしよう~!?
しかも校舎内を歩いていたはずなのに、中庭みたいな外に出ちゃってる!?
辺りをきょろきょろ見回してみるけれど、だれかに聞こうにも、人っ子一人いない……。
「どうしよう……体育ホールどこ!?」
あせりと心細さから、半泣きになりながらのそのそと歩く。
すると、中庭の中心に、とある一室を見つけた。
温室、なのかな?
外観はガラスのような透明な壁に包まれていて、中にはたくさんの植物が見えた。
「きれい……!」
咲いている草木や花々は色濃く、とっても生き生きしているように見える。
「チューリップにネモフィラ、バーベナまで咲いてる……!」
春の花がたくさんだ。
私が花に夢中になっていると、後ろから声が聞こえた。
「えっと……君も新入生?」
「え?」
振り返るとそこにいたのは、爽やかで明るい笑顔を浮かべた、優しそうな男の子だった。
男の子は少し困ったように眉を下げて、私の方へとやって来る。
「俺、実は迷子になっちゃって。中学生にもなって恥ずかしいんだけど、よかったら体育ホールまで連れて行ってくれないかな?」
照れくさそうに頬をかく男の子があまりにきれいな顔立ちだったので、一瞬ぼうっと見惚れちゃった。
これは女の子にさわがれそうだなぁ、なんてのんきなことを考える。
反応が遅れてしまった私に、男の子は「だめかな?」と首をかしげた。
「全然! だめじゃないよ! でも……」
私は申しわけなくてうつむく。
「……実は私も迷子なの。気がついたらここにいて、体育ホールがどこかわからなくなっちゃって……」
しょぼんと話す私に、目を丸くして見ていた男の子は明るく笑った。
「なあんだ! 俺と一緒だ」
そう言ってにこにこと私の手を取る。
「え……?」
「あっちから人の声がする気がするから、とりあえず行ってみよう! そこで道を聞いてみようよ」
「う、うん!」
私は男の子に手を引かれ、一緒に歩き出す。
男の子と手をつないだことなんてなかったから、少しドキッとしちゃった。
迷子で不安だった心が、男の子のお日様みたいな笑顔のおかげで、なんだか温かくなったみたい。
「そういえばきみ、名前は?」
「あ、私は、咲森 みのり」
「俺は、星名 涼。よろしく」
「うん! よろしくね」
私と星名くんは、しばらくうろうろと歩き回って、ようやく出会った先生に体育ホールへの道を聞くことができた。