ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
先輩の文章はまるで、自分が体験してるみたいににドキドキして、きゅんとする文章。
私もこんな恋がしたいって、気持ちになるのに。
当の本人は経験したことがないなんて。先輩の想像力、恐るべし……!
「咲森は、デートしたことあるのか?」
「えっ? な、ないですけど……」
夏目先輩の唐突すぎる質問に驚いていると……。
「俺もない。じゃあ明日の放課後、デートに行こう」
「ええっ!?!?」
またも驚く発言が飛び出して。
けれど夏目先輩は相変わらずの無表情で答えた。
「デートというものを一度体験してみたかったんだ。恋愛小説を書く上で欠かせないイベントだろ? 咲森も経験したことがないのなら、お互いいい勉強になるだろう」
体験入部のついでに!? デート!?!?
夏目先輩とデートしたい人はたくさんいると思うんだけど、私でいいのかな……?
「なにか問題でも?」
「いっ、いえ! なにも!」
有無を言わせない先輩の圧に、私はうなずくことしかできなかった。
「小説の執筆に必要なもの、ですものね……?」
「当然だ。百聞は一見に如かず。それ以外になにがある?」
千景先輩と違って、夏目先輩はきっと、文章力を上げることしか考えていないんだろうなぁ、ってことが痛いほど伝わってくる。
それなら、私も協力しなくちゃ! 私だって、文章の表現力を勉強したいし!
「わかりましたっ! では明日の放課後よろしくお願いします!」
「こちらこそ。よろしく」
そんなわけで、私たちは恋愛小説の表現力アップのために、疑似デートをすることになったのだった。