ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
そうしてまた部活動見学を再開して、私はパンフレットの隅にこっそり書かれていた、とある部活動の名前に首をひねった。
「『ときめき部』……?」
多目的教室、と書かれた教室マップの上に、「ときめき部 活動場所」と書かれていた。
ときめき部? ときめき部ってどんな部……?
ときめきを見つけに行くとか? ときめきを作るとか?
ときめき、ときめき言ってたら、なんだかゲシュタルト崩壊してきちゃった。
ときめき部、ってなんだろう……?
「よし、とにかく行ってみよう!」
なんだか気になる部活名だし、どんな活動をしているのか、気になってきちゃった。
私はパンフレットに載っているマップを見ながら、ときめき部の活動場所である、多目的教室を目指した。
多目的教室にやってくると、にぎやかな女の子たちの声がした。
きゃーきゃー騒いでいるような、楽しそうな声が聞こえて、女の子が多い部活動なのかな? と思っていると、その教室から女の子たちがどどーっと飛び出してきた。
「帰れっ!!!!」
男の子の鋭い声が聞こえて、女の子たちが不満そうにその場をあとにする。
「まったく、これだからミーハーな人間は。情緒もへったくれもあったもんじゃない」
「まぁまぁ、そんなにカリカリしないでよ。せっかく女の子たちが遊びに来てくれたんだからさ。そんなんじゃモテないよ?」
「モテなくて結構」
怖いくらいに鋭い瞳を持つ男の子と、それとは正反対にたれ目がちな瞳でへらっと笑う男の子。
二人はぽかんと立ちつくす私に気がついて、こっちに視線を向けた。
「あら? またお客さんかな?」
「帰れ。お前もどうせ冷やかしだろ」
「ひっ……」
男の子ににらまれて、私は一歩後ろに下がる。
「まあまあ。夏目はすぐそうやって追い出そうとするんだから。ごめんね、怖かったね?」
「三滝が無駄に女子に優しくするからつけ上がるんだろ」
二人の上履きのラインの色は青色。私たち一年生は緑色だから、きっと二年生の先輩だ。
私は思い切って口を開く。
「あ、あのっ! こ、ここは、ときめき部の活動場所でしょうかっ?」
私が聞くと、鋭い瞳のクールな先輩は、私をにらむように見下ろした。
「そうだけど?」
その氷みたいに冷たい声に、私はびくっと肩を揺らす。
こ、怖い……!
私の様子に気がついたもう一人の優しそうな先輩が、私をかばうように傍に来てくれた。
「夏目、そんな言い方ないでしょ? ほらこの子、怖がってるよ?」
「知るか」
「ごめんね。さっきまで俺たちの顔目当ての女子がたくさん来て、それで夏目、あ、この怖い仏頂面の男の子ね?、夏目 清史朗っていうんだけど、ちょっとご立腹なの」
「誰が仏頂面だ」
夏目先輩はふんっとそっぽを向く。
「顔目当て、ですか……?」
たしかに言われてみれば、二人ともとってもイケメンさんでいらっしゃる。
夏目先輩は切れ長の瞳がとってもクールで、説明してくれた先輩は金髪で派手ではあるけれど、ふわっとした優しそうな印象だった。
「俺は三滝 千景。ようこそ、ときめき部へ!」
三滝先輩がにこっと笑う。
やっぱりここが、ときめき部なんだ!
ときめき部って、一体どんな部活動なんだろう?
私は三滝先輩にうながされるまま、ときめき部の部室に足を踏み入れた。