意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて
しばらく、
ラジワはアウレリオの胸に顔を埋めたまま、
言葉を探していた。
やがて――
小さく、息を吸う。
「……手紙、弟のビンセントからなの」
震えは、
まだ残っている。
「クレオールが……正式に皇太子になった」
アウレリオの背中が、
わずかに強張った。
「それだけじゃない」
ラジワは、
ぎゅっと目を閉じる。
「姉さまが……ファティマ姉さまが、
辺境の小国に嫁がされたの」
その瞬間。
アウレリオの腕が、
確かに――強くなった。
「……そうか」
低く、抑えた声。
「理由は?」
「邪魔だったのよ」
ラジワは、
嗚咽を噛み殺しながら吐き出す。
「聡明で、民からも愛されて……」
「姉さまの存在は、自分の支配に都合が悪かった……それだけ」
沈黙。
夜の空気が重くなる。
「あの人は――鬼だわ」
ラジワは震える声で言った。
「姉さまのことも、私のことも。利用できる駒としか、
考えてない」
「……っ」
怒りと悲しみが、
胸の奥で絡み合う。
「家族なのに……!」
「血を分けているのに……!」
声が掠れる。
「全部……自分のため……」
アウレリオは、
ラジワの心の叫びを
黙って聞いていた。
遮らない。
否定しない。
そして――
ラジワの肩に、
自分の額を軽く預ける。
「……なるほどな」
低く、しかしはっきりと。
「随分と、醜い皇帝の誕生だな」
ラジワはアウレリオの胸に顔を埋めたまま、
言葉を探していた。
やがて――
小さく、息を吸う。
「……手紙、弟のビンセントからなの」
震えは、
まだ残っている。
「クレオールが……正式に皇太子になった」
アウレリオの背中が、
わずかに強張った。
「それだけじゃない」
ラジワは、
ぎゅっと目を閉じる。
「姉さまが……ファティマ姉さまが、
辺境の小国に嫁がされたの」
その瞬間。
アウレリオの腕が、
確かに――強くなった。
「……そうか」
低く、抑えた声。
「理由は?」
「邪魔だったのよ」
ラジワは、
嗚咽を噛み殺しながら吐き出す。
「聡明で、民からも愛されて……」
「姉さまの存在は、自分の支配に都合が悪かった……それだけ」
沈黙。
夜の空気が重くなる。
「あの人は――鬼だわ」
ラジワは震える声で言った。
「姉さまのことも、私のことも。利用できる駒としか、
考えてない」
「……っ」
怒りと悲しみが、
胸の奥で絡み合う。
「家族なのに……!」
「血を分けているのに……!」
声が掠れる。
「全部……自分のため……」
アウレリオは、
ラジワの心の叫びを
黙って聞いていた。
遮らない。
否定しない。
そして――
ラジワの肩に、
自分の額を軽く預ける。
「……なるほどな」
低く、しかしはっきりと。
「随分と、醜い皇帝の誕生だな」