夜明けが世界を染めるころ
ティアナside

セナとの決闘 1週間前

セナとの決闘を前に、私はメンバーを招集した。
一人では勝てない。それは、もう分かっている。

「みんな、集まってくれてありがとう」

「いえ、大丈夫です」

「俺も大丈夫です!」

ロベルトとアレンが続けて答える。
他のみんなもこちらをみて頷く。


「ありがとう。
実は……セナを諦めさせたいの」

その瞬間、みんながきょとんとした顔になる。
私は続ける。

「セナは私が進む道を止めようとしてる。
だから私はそれを諦めさせる」

力強く告げた言葉。

「俺やるよーお嬢さまのお願いだもん」

テオがゆるりと微笑む。

「えっと、どういうこと?
セナちゃんって、ティアナちゃんの専属護衛騎士よね?」

ルイが首をかしげる。

「近いうちに、セナと決闘しようと思ってるの。
私はどうしても勝ちたい。
……勝たなきゃいけないの。どんな手段を使っても」

宝石事件や蝶の会のことは伏せた。
こんな曖昧な理由で協力を頼むなんて、図々しいだろうか――そう思ったけれど。

「お嬢さんがそこまで言うってことは、勝たなきゃいけない理由があるんだろ?お嬢さんが進むべき道ってやつを守るために」

レオが、ビシッと手を挙げる。

「俺、協力するぜ」

「俺たちも、セナさんに負けっぱなしだからな!
一泡吹かせてやろう!」

ロベルトとアレンも意気込む。

「わかったわ」

ルイが微笑んだ。

「可愛い女の子が“勝ちたい”って言うんだもの。
相当な覚悟なんでしょう?
私も協力するわ」


「ありがとう、早速だけど作戦会議してもいいかな」


「決闘ってことは……一対一ですよね?」

少し不安そうに、アレンが口を開く。

「正直、分が悪いと思います」

ロベルトも告げる。

私は、静かに首を振った。

「ええ。
だからこそ――私がやろうとしているのは、騎士道には反してる」

みんなの視線が集まる。

「手段を選ばずに勝つ。
少し……ずるいやり方よ」

「というと?」

ルイが首を傾げた。

私は、一つずつ言葉を並べる。

「まず、木剣で勝負すると思わせるの。
私は木剣の中に魔宝剣を仕込む」


「なるほど……」

アレンが息を呑む。

「セナは“自分で選んだ”と思う。
だから、警戒しない」

私は続けた。

「戦いの途中で、私は魔宝剣を発動させる。
セナの木剣を砕くわ」

「そりゃ、セナさんも――」

「ええ」

私は頷いた。

「もちろん、魔宝剣を使う」

一瞬の沈黙。

「……でも」

ロベルトが首を傾げる。

「それだと、条件は同じでは?」


その時だった。
私はある魔宝石をみせる。

「ふーん」

テオが、にやりと笑った。

「なるほどね。
魔宝剣の“力”を、発揮させないってことだ」

全員がテオに注目する。
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