夜明けが世界を染めるころ
セナの魔宝剣を弱体化したあと、次の段階に移る。

「次は、アレン」

「はい!」
アレンが元気よく返事をする。

「そして、ロベルト」

「はい」
ロベルトは落ち着いた声で応えた。

私は二人を見渡し、作戦を確認する。

「まず、アレン。
持ち前の素早さでセナを翻弄して。雷の攻撃で間合いを崩すの」

アレンは新人だ。
だからこそ、セナはまだアレンの動きに完全には慣れていない。

「その隙を突く」

視線をロベルトに向ける。

「ロベルトは、アレンの教育係。
アレンの動きに一番合わせられるし、セナとも長い付き合いがある」

つまり――

「セナの次の動きを、予想しやすい」

ロベルトが小さく頷く。

「ロベルトはアレンをフォローしながら、確実に――重い一撃を狙って」

「はい」

短い返事に、覚悟が滲んでいた。

そして。

「そこで、私も加わる」

3人が、それぞれの役割を胸に刻む。

「――3人がかりで、セナを制圧する」


でも――
「そこまでしても、セナには勝てない」

私はそう断言した。

「次に、セナが一番警戒するのは……誰だと思う?」

その問いに、アレンとロベルトは一瞬黙り込み、顔を見合わせる。
そして、ゆっくりとある人物を見る。

「俺だね」

楽しそうに、軽く手を上げたのはテオだった。

「そう、テオ」

私は頷く。
「だからこそ、テオには前線から外れてもらう」

アレンが目を見開く。

「遠征に行ってもらうの。実際に行ってもらうけど――
セナには、“まだ戻ってこない”と思わせる」

私は淡々と続けた。

「2日間行っていると思わせて、テオには1日で戻ってきてもらう。
そうすれば、セナはテオを警戒しない」

テオが静かに口角を上げる。

「なるほどね」

「その間、テオには息を潜めて準備をしてもらう。
セナの動きを止めるために」

私は指を立てる。

「20秒……いいえ、10秒でいい」

その短い時間が、勝負を分ける。

「その一瞬で、セナの動きを封じる」

沈黙が落ちる。

「そして――予想外の人物が、2人」


「私と」

「俺だな」

同時に声が重なった。

ルイとレオが、静かに名乗りを上げる。
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