夜明けが世界を染めるころ

「じゃあさ」

ルイが少しだけ真面目な声で言う。

「私とレオちゃんに、ティアナちゃんが魔宝剣を使うのって、
 やっぱりまずいわよね?」

「一応、魔宝適正判定は受けてるけどな」

レオも付け加える。

「大丈夫」

私は頷いた。

「問題ないよ」

「……ほんとに?」

「だって」

にこっと微笑む。

「私たち、“騎士として使ってる”わけじゃないもの」

その言葉に、二人は黙った。

「守るためでも、
 戦うためでもなくて――」

「“支えるための力”として使ってるだけ」

声を少し落とす。

「登録も管理も、全部王国の管轄。
 定期検査も、制限刻印も、ちゃんと受けてる」

「……なるほど」

アレンが小さく頷いた。

「完全に合法だけど、
 仕組みを理解してないと通らないやつですね」

「そういうこと」

私は少しだけ照れたように笑う。

「うやむやにしたわけじゃなくて――
 “うまく隙間を通った”だけ」

レオは深く息を吐く。

「……セナが止められないわけだ」

うんうんとみんなが頷く。

「え?」

「いや、なんでもない」

そう言って、苦笑する。

規則を破らず、
権限を振りかざさず、
それでも必要な結果だけを導く。

そのやり方は、騎士というより――
どこか、王族に近かった。

ティアナ本人だけが、
その自覚のなさを含めて。
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