夜明けが世界を染めるころ
「まさか、宝石にそんな細工が施されていたとは……」
ルーペを返しながら、ユウリが静かに息を吐く。
「だから、宝石は2つしか用意できなかった。正面からは、私とセナ。」
そう告げると、
「では、私は主催者側から回りましょう」
即答だった。
「それで大丈夫?」
念のため確認すると、ユウリは穏やかに頷く。
「ええ。
元からそのつもりで準備していましたので問題ありません。
ただし――」
視線が私に向く。
「お嬢様は、決してセナから離れないでください」
「わかってる」
短く答える。
ユウリはそれで納得したように、今度はセナを見る。
「セナ。お嬢様を、お願いします」
「はい」
セナは迷いなく、力強く返事をした。
「それでセナと私はパートナーとして参加するとして、偽名を使いましょう。
私のことは…そうね。今日は月がよく見える夜だからルナと呼んで。セナはどうする?」
そう言ってセナに視線を向ける、少し悩む素振りをする。
「…お嬢様にお任せします」
「じゃあ シオンね!」
「はい…なぜその名前ですか?」
「昔好きだった小説の主人公。ただヒロイン守るために片腕なくなっちゃうんだけどね」
「とても物騒ですね…」
「確かに」
苦笑いをするセナとユウリ。
「任せるっていったでしょ?じゃあシオン!今から恋人同士ということでよろしくね。
ユウリも会場の中では極力接触しないようにしましょう」
「はい」
「わかりました」
セナとユウリが返事をしたところで馬車が静かに止まり、御者の合図が夜気に溶けた。
3人はそれぞれ仮面に手をとった。
石畳に降りると、会場の温室は改装されており前見た時とはまるで違う建物に見えた。
私ティアナ…いやルナは深呼吸した。
「……似合ってるよ」
思わず口をつくと、彼は一瞬だけ言葉に詰まった。
「お嬢様こそ——いえ、ルナ」
呼び名が変わるだけで、胸の奥が少しざわつく。
私は微笑み、腕を差し出した。
「恋人同士、でしょ?」
「……はい」
指先が触れ合う。
二人は歩調を合わせ、入口へ向かった。
ユウリは、素早く静かに別の出入り口に向かって行った。
扉の前で係員が一礼する。
「合言葉を」
そう問われ、緊張しながら。
「白い蝶」
と答える。
「それでは招待状のご提示を」
ドレスのポケットから二つの宝石を見せる。
係員が特殊なライトを宝石に照らす、蝶の模様を確認。
「間違いないですね…ところで」
「何でしょう?」
係員に引き留められ少し緊張する。
「宝石は身につけられないのですか?」
こんな物騒な宝石身につけられるかと思いつつ、穏やかに笑ってみせる。
「私の今日のドレスとでは、相性が悪いの。
それに彼とお揃いの宝石をつけたいからそれも今日探しに来たの」
そう余裕たっぷりにいい、シオンの腕に捕まる。
「ああ、ルナに似合う宝石があるはずだ」
「それは失礼致しました。ようこそ、蝶の会へ」
係員がお辞儀をし扉が開く。
ここで何が行われているのかこの目でしっかりと確かめなければ…
ルーペを返しながら、ユウリが静かに息を吐く。
「だから、宝石は2つしか用意できなかった。正面からは、私とセナ。」
そう告げると、
「では、私は主催者側から回りましょう」
即答だった。
「それで大丈夫?」
念のため確認すると、ユウリは穏やかに頷く。
「ええ。
元からそのつもりで準備していましたので問題ありません。
ただし――」
視線が私に向く。
「お嬢様は、決してセナから離れないでください」
「わかってる」
短く答える。
ユウリはそれで納得したように、今度はセナを見る。
「セナ。お嬢様を、お願いします」
「はい」
セナは迷いなく、力強く返事をした。
「それでセナと私はパートナーとして参加するとして、偽名を使いましょう。
私のことは…そうね。今日は月がよく見える夜だからルナと呼んで。セナはどうする?」
そう言ってセナに視線を向ける、少し悩む素振りをする。
「…お嬢様にお任せします」
「じゃあ シオンね!」
「はい…なぜその名前ですか?」
「昔好きだった小説の主人公。ただヒロイン守るために片腕なくなっちゃうんだけどね」
「とても物騒ですね…」
「確かに」
苦笑いをするセナとユウリ。
「任せるっていったでしょ?じゃあシオン!今から恋人同士ということでよろしくね。
ユウリも会場の中では極力接触しないようにしましょう」
「はい」
「わかりました」
セナとユウリが返事をしたところで馬車が静かに止まり、御者の合図が夜気に溶けた。
3人はそれぞれ仮面に手をとった。
石畳に降りると、会場の温室は改装されており前見た時とはまるで違う建物に見えた。
私ティアナ…いやルナは深呼吸した。
「……似合ってるよ」
思わず口をつくと、彼は一瞬だけ言葉に詰まった。
「お嬢様こそ——いえ、ルナ」
呼び名が変わるだけで、胸の奥が少しざわつく。
私は微笑み、腕を差し出した。
「恋人同士、でしょ?」
「……はい」
指先が触れ合う。
二人は歩調を合わせ、入口へ向かった。
ユウリは、素早く静かに別の出入り口に向かって行った。
扉の前で係員が一礼する。
「合言葉を」
そう問われ、緊張しながら。
「白い蝶」
と答える。
「それでは招待状のご提示を」
ドレスのポケットから二つの宝石を見せる。
係員が特殊なライトを宝石に照らす、蝶の模様を確認。
「間違いないですね…ところで」
「何でしょう?」
係員に引き留められ少し緊張する。
「宝石は身につけられないのですか?」
こんな物騒な宝石身につけられるかと思いつつ、穏やかに笑ってみせる。
「私の今日のドレスとでは、相性が悪いの。
それに彼とお揃いの宝石をつけたいからそれも今日探しに来たの」
そう余裕たっぷりにいい、シオンの腕に捕まる。
「ああ、ルナに似合う宝石があるはずだ」
「それは失礼致しました。ようこそ、蝶の会へ」
係員がお辞儀をし扉が開く。
ここで何が行われているのかこの目でしっかりと確かめなければ…