夜明けが世界を染めるころ
それにしても――誰の差し金だと、殿下はわかっているのか。
「この……くそ王子ぃいいいい!」
顔を真っ赤にしたデホラが、オーウェン団長の制止を振り切りナイフを握って殿下へ突進してくる。
――早い。
次の瞬間、
レオがテーブルの上にあったフォークを掴み、迷いなく殿下の前に立った。
「っ!?」
デホラの動きが止まるより早く、レオは体を捌き、背負い投げ。
床に叩きつけられたデホラの手からナイフを弾き飛ばし、そのままフォークを首筋へ突き立てる。
「今、食事中なんですけど」
低い声。
「メインのお肉が冷めるんで、やめてもらえます?」
「う、うう……!」
ジリジリと逃れようとするデホラ。
だが無駄だ。レオの腕はびくともしない。
「あ、あんまり暴れないでくださいよー。
フォーク、刺さりますよ!?」
じんわりと、首筋に赤い血が滲む。
「レオ、殺してはだめよ」
「わかってますよー!」
軽い返事だが、力加減は完璧だ。
「殿下、お怪我はありませんか!」
オーウェン団長が駆け寄り、その後ろから武装した騎士たちが雪崩れ込んでくる。
デボラの侵入を知って飛んできたのだろう。
――けれど。
殿下と、側近のレイさんは違う。
2人は最初から、この展開を知っていたかのように落ち着いている。
レイさんは一歩も殿下から離れず、いつでも動ける位置にいた。
まるで――
ここに来るのを待っていたかのように。
「この……くそ王子ぃいいいい!」
顔を真っ赤にしたデホラが、オーウェン団長の制止を振り切りナイフを握って殿下へ突進してくる。
――早い。
次の瞬間、
レオがテーブルの上にあったフォークを掴み、迷いなく殿下の前に立った。
「っ!?」
デホラの動きが止まるより早く、レオは体を捌き、背負い投げ。
床に叩きつけられたデホラの手からナイフを弾き飛ばし、そのままフォークを首筋へ突き立てる。
「今、食事中なんですけど」
低い声。
「メインのお肉が冷めるんで、やめてもらえます?」
「う、うう……!」
ジリジリと逃れようとするデホラ。
だが無駄だ。レオの腕はびくともしない。
「あ、あんまり暴れないでくださいよー。
フォーク、刺さりますよ!?」
じんわりと、首筋に赤い血が滲む。
「レオ、殺してはだめよ」
「わかってますよー!」
軽い返事だが、力加減は完璧だ。
「殿下、お怪我はありませんか!」
オーウェン団長が駆け寄り、その後ろから武装した騎士たちが雪崩れ込んでくる。
デボラの侵入を知って飛んできたのだろう。
――けれど。
殿下と、側近のレイさんは違う。
2人は最初から、この展開を知っていたかのように落ち着いている。
レイさんは一歩も殿下から離れず、いつでも動ける位置にいた。
まるで――
ここに来るのを待っていたかのように。