夜明けが世界を染めるころ
室内のドーム型庭園に辿り着いた。
天井いっぱいに広がるガラス越しの月明かりが、
瑞々しい植物たちをきらきらと照らしている。
外界の喧騒は、もう届かない。
「……ここまでくれば、平気だろう」
繋いだ手は、そのままだ。
離す気はないと言わんばかりに、
指先がそっと絡められる。
「あ、あの……殿下」
「ディラン」
殿下呼びは、どうやら気に入らないらしい。
「……ディラン」
「なんだい?」
満足そうに微笑む、その顔が少し眩しくて。
私は視線を落とした。
「……さっきは、ごめんなさい」
「何が?」
「逃げたこと」
言葉にすると、胸がぎゅっと痛む。
「向き合わなきゃって、分かってるのに……
いざ目の前にすると、怖くなって」
王妃。
未来。
責任。
しばらく沈黙が落ちる。
やがて、ディランは小さく息を吐いた。
「……そうだろうと思った」
「怒って、ませんか?」
「怒るわけない」
彼は私の手を引き、月光の下へと導く。
「君はいつだって、背負いすぎる」
静かな声だった。
「俺が欲しいのは、完璧な王妃じゃない。
俺の隣で、笑ってくれる君だ」
視線が重なる。
逃げ場のないほど、近い距離。
天井いっぱいに広がるガラス越しの月明かりが、
瑞々しい植物たちをきらきらと照らしている。
外界の喧騒は、もう届かない。
「……ここまでくれば、平気だろう」
繋いだ手は、そのままだ。
離す気はないと言わんばかりに、
指先がそっと絡められる。
「あ、あの……殿下」
「ディラン」
殿下呼びは、どうやら気に入らないらしい。
「……ディラン」
「なんだい?」
満足そうに微笑む、その顔が少し眩しくて。
私は視線を落とした。
「……さっきは、ごめんなさい」
「何が?」
「逃げたこと」
言葉にすると、胸がぎゅっと痛む。
「向き合わなきゃって、分かってるのに……
いざ目の前にすると、怖くなって」
王妃。
未来。
責任。
しばらく沈黙が落ちる。
やがて、ディランは小さく息を吐いた。
「……そうだろうと思った」
「怒って、ませんか?」
「怒るわけない」
彼は私の手を引き、月光の下へと導く。
「君はいつだって、背負いすぎる」
静かな声だった。
「俺が欲しいのは、完璧な王妃じゃない。
俺の隣で、笑ってくれる君だ」
視線が重なる。
逃げ場のないほど、近い距離。