夜明けが世界を染めるころ
殿下と他の令嬢たちが話している。

「お嬢様、いらっしゃいました」

「ええ」

ある令嬢の胸に光る宝石から黒いモヤが見える。
例の怪しい宝石に違いない。

そのとき、ウェイターが令嬢たちと接触し、飲み物をこぼしてしまったようだ。

「申し訳ございません、殿下のズボンの裾が汚れてしまいました」
頭を下げるウェイター。

「これは由々しき事態だ!ニーナ、殿下をゲストルームへご案内しなさい」

あれはデホラ男爵とその娘、ニーナ令嬢。殿下と一緒に移動していく。

「ユウリ、デホラ男爵から目を離さないで。私は殿下のもとへ向かう」

「はい。お気をつけください。セナが外で控えておりますので、すぐ向かわせます」

私は殿下と令嬢たちの後を、こっそり追う。
……まあ、あの腹黒王子が簡単にやられるとは思えないけれど。
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