大人気生徒会長は餌づけしたい

 はぁぁぁぁ、夢ではありませんでした。

 100パーセント現実でした。

「奈乃ちゃん、あーんして」

 次の日の昼休みも、剣崎先輩は私の教室にやってきたのです。

「餌付けってなんですか? なんで急に? なんで私なんですか?」

 勢いよく立ち上がって目線を剣崎先輩に近づけたのに、両肩に手を置かれ自分の席に座らされてしまった。

「素直にお口を開けないと、放課後まで奈乃ちゃんの隣を独占しちゃうよ」

「午後の授業中も居座るつもりですか? それは困ります」

「それが嫌なら、奈乃ちゃんはどうすればいいのかな?」

 おっとりにっこりの陽だまり笑顔は、一見優しさの塊に思える。

 ……が、とろっとろの笑顔ほど怖いものはないのかもしれない。

 まるで脅しだ。

 餌づけをNOと言える雰囲気じゃない。

 マリア様のような慈悲深い微笑みで私を従わせようとしてくるから、剣崎先輩はたちが悪い。
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