溺愛されるオッドアイ
Ⅻ 暗闇に光るオッドアイ


✿✿


「和椛!お前は奏先輩のところへ行け!」

乱闘開始直後、後ろは檻であまり動けるスペースの少ない私と和真くんはすぐに追い込まれる。
けれど、道を作るように和真くんが持ち前のすばしっこさで周りを倒していき、私も見える範囲でなるべく背中をとられないよう倒していた。

「でも」
「俺も奏先輩たちのとこに行くから先に行け。着くまで後ろはなんとかしてやるから。前だけ見て走れ」
「……分かった」

頷いてみせると、和真くんが四、五人をまとめて倒したのを合図に私は走り出した。

ごちゃごちゃと人がいる中、寄ってくる子たちを倒しつつ、中心へと一直線で走る。
中心では奏くんを囲うように新くんたちは動いていて、まだ奏くんのもとへは誰もたどり着いていないようだった。

「おらぁ!」
「どいて!」

奏くんに寄る不良くんがいないか見ながら走りたいのに、次々と視界に入ってくる。
見えてるから問題はないからいいにしても……あ──!
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