溺愛されるオッドアイ
ⅩⅢ 新生
✿✿
俺に負ける──奏くんの一言で瀬名はにやりと笑うも、それは一瞬。
すぐに明るく笑っていた瀬名からは笑みが消え、開始の合図もなしに奏くんへ足を伸ばした。
奏くんはそれを一歩後ろに体を引いて軽々とよける。
本当にスレスレで。
でもきっと、そのくらいの距離で避けられると見切ってるんだ、奏くんは。
慌てることも、焦ってる様子もみじんも感じない。
「ま、こんなんで倒せほどやわじゃないよねー黒夜は」
「当たり前だろ、んなおせぇ蹴りでどうにかしようなんて甘いんだよ」
お返しと言わんばかりに、同じように瀬名に足技を繰り出す奏くん。
瀬名もまた避けて、徐々に二人の出す手数が多くなっていく。
「……やっぱ、右使わないな奏ちゃん」
「だな」
奏くんが行ったことで戻って来た新くんと椛月。
私たちも離れたところで二人の攻防を見守っていた。