溺愛されるオッドアイ
「奏ちゃ──」
止めようと新くんが声をかけるも、新くんは息をのむ。
奏くんの顔が見えなくとも、後ろ姿だけで伝わるものがあった。
"俺がやる"って──
奏くんは瀬名の前まで歩くと足を止める。
すぐに肩の痛みにゆがんでいた瀬名の顔が笑顔になった。
「おお?黒夜、総長戦が出来るってことー?」
「俺の出る幕は最後までないやも……と思ってたんだがな。気が変わった」
「ふーん。気、ね……もしかして気が変わってくれたのは、その子がらみ?」
奏くんと重なって見えていた瀬名がひょっこりと顔を出し私を指す。
肩ごしに私を見た奏くんはまたも瀬名へと向く。
「……お前があいつに手を出した時点でな。ガードしていたとはいえ、吹っ飛ばしたことでお前の運命は決まった」
「運命?なにそれ」
俺に負ける、ってことだ──
奏くんの一言によって、瀬名は口角を上げたのだった。