溺愛されるオッドアイ

治ってない……ウワサ話はすぐに広まると瀬名が言っていたのを思い出す。
だから奏くんの肩のことももちろん知ってるというわけで……。

「蹴りと威力がおとる左手、それで俺に勝てると思ってんの?黒夜!!」

ゆったりとした話し方をしたかと思えば、どすのきいた声とともに拳を奏くんへ向ける。
パチンッと受け止めた奏くん。

「言ってろっ」

ガードを主に足技だけで攻めあぐねる奏くんに対し、瀬名は攻め続けてくる。

楽しげな瀬名とは正反対に奏くんは表情を変えないから、奏くん的にきびしいのか、それともただ反撃のタイミングをはかってるのかが分からない。
……今のところ、右腕を使っていないから無理してる、とかは感じないけど。

「……ん、いってぇ……」

総長同士の勝負を静かに見つめていると、私たちの前に倒れていた不良くんのひとりが顔をゆがめながらフラフラと起き上がった。
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