鈍感な私は愛されヒロインです!?
 蒼くんと別れたあと、校内に入ると廊下は人でいっぱいだった。
 あちこちから音楽や呼び声が聞こえてくる。

「桜庭、そっち人多いから気をつけろよ」

 黒崎くんが、焼きそばの容器を片手に言う。
 エプロン姿、まったく似合っていない。

「黒崎くん、エプロン姿似合ってないね」

 そう返すと、黒崎くんは照れくさそうに言った。

「うるせぇ」

 瀬名くんが横から笑った。

「ひより、ほら、宣伝行こ宣伝。今ならテンションでなんとかなる」

「ならないよ」

 月城くんが、静かにため息をつく。

「順番に回ろう。無駄に騒ぐと余計混む」

「はいはい、真面目だなー」

 いつも通りのやり取り。
 学園祭でも、特別クラスは特別クラスだ。

 通りすがりの他クラスの生徒が、こちらをちらっと見る。
「ここ問題児クラスだよね?」なんて小声も聞こえたけど、今さら気にしない。

 私は配布用のチラシを抱え直して、廊下を進む。
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