【完】君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
刃物のように鋭い奏汰の問いかけに、時東への根深い不信感が透けていた。だが、麗奈はそれを受け流すように、ゆるやかに微笑む。
「当然、各項目については協議の上で決めますわ。時東は流通と販促を担う。そうすれば、氷室と高坂は製造に専念できる。富裕層市場は嗜好がはっきりしています。磨き方を変えるだけで単価は上がる。隆之や奏汰、そして稔……あなた方の腕を否定しているのではありません。もっと高く売れる場所に連れていくと言っているのです。それらの契約として、わたくしは奏汰と穂乃果の婚姻を提案しているだけですわ」
まるで明日の天気の話でもするかのような、当然と言わんばかりの麗奈の口調。晴菜は、足元から崩れていくような激しい目眩と、胃の底からせり上がるような嫌悪感を覚えた。
――この人……人の心や人生を、ただの数字としてしか見ていないのね……
そう思うと、豪華な会席料理の匂いすら、ひどく鼻につくような気がした。
「そもそも、この件に関しては数年前に両家で合意していたはず。以前は穂乃果のわがままで流れてしまいましたが、二人とも大人になりましたし。穂乃果もあの頃は若かったけれど、今ならわかりますよね?」
麗奈の視線が、無言を貫いていた隣の穂乃果に向けられる。品定めをするようなその眼差しに、穂乃果は背筋を伸ばしたまま静かに口を開いた。
「当然、各項目については協議の上で決めますわ。時東は流通と販促を担う。そうすれば、氷室と高坂は製造に専念できる。富裕層市場は嗜好がはっきりしています。磨き方を変えるだけで単価は上がる。隆之や奏汰、そして稔……あなた方の腕を否定しているのではありません。もっと高く売れる場所に連れていくと言っているのです。それらの契約として、わたくしは奏汰と穂乃果の婚姻を提案しているだけですわ」
まるで明日の天気の話でもするかのような、当然と言わんばかりの麗奈の口調。晴菜は、足元から崩れていくような激しい目眩と、胃の底からせり上がるような嫌悪感を覚えた。
――この人……人の心や人生を、ただの数字としてしか見ていないのね……
そう思うと、豪華な会席料理の匂いすら、ひどく鼻につくような気がした。
「そもそも、この件に関しては数年前に両家で合意していたはず。以前は穂乃果のわがままで流れてしまいましたが、二人とも大人になりましたし。穂乃果もあの頃は若かったけれど、今ならわかりますよね?」
麗奈の視線が、無言を貫いていた隣の穂乃果に向けられる。品定めをするようなその眼差しに、穂乃果は背筋を伸ばしたまま静かに口を開いた。